特別展「出雲と大和」に行ってきました。
日本史にまったく詳しくないけど楽しめるのかな…と思っていたのですが、展示品も多くて見ごたえたっぷり。
とても楽しかったです。
特別展「出雲と大和」|感想・混雑・グッズなど
「特別展 出雲と大和」感想
なぜ「出雲と大和」なのか
今回の展覧会名
日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」。
『日本書紀』ってそもそもなんだっけ、
なぜ「出雲」と「大和」なのかなと思っている方も多いはず。
高校の教科書をひっぱりだしてきました。
『詳説日本史』(2006) 山川出版社 p.46
そんな『日本書紀』の冒頭に記された神話では「幽(ゆう)」と「顕(けん)」という言葉がでてきます。
「幽」とは、人知を超えた神々や祭祀の世界で、出雲大社の神オオクニヌシが治める世界
「顕」とは、目にみえる現実や政治世界のことで、大和の天皇が治める世界
古代において出雲と大和はそれぞれ「幽」と「顕」を象徴する場所として、重要な役割を担っていたんですね。
出雲は現在の島根県、大和は現在の奈良県にあたります。
青銅器は本当は金色だった…⁈
この展覧会では展示品の数がものすごい充実しています。
出土品が展示室にずらーっとならんでいる光景は圧巻です。
特に、青銅器です。
銅鐸・銅剣・銅矛は189点、銅鏡は30点がこの展覧会で一気に観られます。
これは《加茂岩倉遺跡銅鐸埋納状況》の復元ですが、埋蔵時は金色だったらしいんですよね。
フォトスポットより撮影
青銅器というと、下のような"青い"イメージでしたが、それは長い間土に埋められてできた錆の色。
もとから青いと思っていました。
《重要文化財 画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡》古墳時代3世紀 奈良県立橿原考古学研究所保管 グッズより撮影
こんな大量の鏡や銅鐸で、どんな祭祀をしていたのか・・・
しかもすべて金ですからね。すごく荘厳なものだったんでしょうね。
勾玉・装飾品がキレイでびっくり
本当に大昔のものなのかっていう綺麗さでした。
勾玉は、画像にはない青いものがあるんですけど、透明感のある深い青がすてきでした。
また、金色の首飾りや耳飾り、馬つける飾りなどは、現代で売っていても全くおかしくないデザインでしたよ。
大昔の日本人、センスありますね…。
やっぱり綺麗な装飾品は人気でして、展示ケースの前に人だかりができている率がほかの展示品よりも高かったです。
《勾玉・臼玉》古墳時代4世紀 島根・出雲大社蔵 グッズより撮影
日本史に詳しくないけど楽しめる?
楽しめます。
楽しめますが、最初に ガイド映像(12分間)を観た方がいいです!
場所は、展示会場にむかう中央のエレベーターを昇る前。
コインロッカーやトイレがあるフロアで、「考古展示室」にむかう方向です。
映像は、NHKでやっているような雰囲気です。
これから鑑賞する展示物について、歴史的になにが重要なのか、どういう意味があって、研究者はどういうところを見ているのかなどを知ることができます。
仏教伝来までの日本の歴史の流れが把握できるので、展示フロアを進んでいっても、「ああ、あの時代の展示か」と分かるようになると思います。
小・中学生向けの「ジュニアガイド」も事前に公式HPからダウンロードできます。
それと音声ガイドも活用したいところです。
混雑状況
私が行った日は3連休の2日目でした。
チケット売り場では並びませんでしたが、館内は大変混雑していました。
展示物も、列に並ばなきゃみられない感じでしたね。
しかし、日本史マニアの方がお友達に解説しているのをこっそり聞いたりして、それはそれでよかったですよ(笑
音声ガイドにはない解説も聞けましたからね。
同日に「ハマスホイとデンマーク絵画」展にも行ったんですけど、
そちらと比べてご年配の方も多くて日本史ってやっぱり人気があるんだなあと感じました。
グッズ
フェリシモとのコラボグッズがおもしろいなと思いました。
アクセサリーポーチを最後まで買うか迷ったんです、、、買えばよかったかも。
私はポストカードを買いました。
他には出雲のご当地品なども売っていて規模も大きかったです。
グッズ売り場にはガチャガチャも。
日本太古の歴史の未知なる魅力
鑑賞品のいちばんはじめに観るのは
平安時代の出雲大社の1/10スケールの模型と、鎌倉時代に大社を支えた柱です。
現在の出雲大社本殿の高さは約24mですが、
出雲大社の社伝によると、
太古の出雲大社本殿の高さは現在の4倍の約96m、
平安時代には現在の倍の高さ、約48mあったと伝えられています。
ものすごいおおきさですよね。
この説については様々な研究がなされ、当時の建築技術では不可能ではないかといわれていました。
ところが、2000年に大社を支えた柱が発掘されたことで、一気に現実味を帯びてきています。
おもしろいですよね。
本当にそんなに壮大な大社があったのか。
あったとして、なぜそんな圧倒的大きさにしたのか。
その影響力や、金の道具に囲まれた祭祀とはどんなものだったのか。
想像がつからない未知なる歴史が、ロマンチックに思えます。
開催情報
展示情報
展覧会名 | 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」 |
公式サイト | ホームページ / Twitter |
会期 | 2020年1月15日(水) - 3月8日(日)
・前期展示:~2月9日(日) ・後期展示:~3月8日(日) |
東京国立博物館 平成館(上野) | |
チケット |
一般 1,600円 |
所要時間 | 1時間半程度 |
混雑 |
(休日のお昼)館内はかなりの混雑でした。 |
音声ガイド |
俳優 橋爪功 さん |
撮影スポット |
展示内に2か所あり |
グッズ |
フェリシモとのコラボグッズや、出雲ご当地土産などもあり充実しています。ガチャガチャもあり! |
ジュニアガイド |
小学校高学年・中学生向けのガイドを公式HPからダウンロードできます。事前学習や見学の際に活用できます。 |
おまけ|上野公園で春を感じる
展覧会では、地下から出土した文化財を観ていきました。
鑑賞が終わったら、開けた空の下、噴水をぽ~っとながめてリフレッシュです。
少しずつ暖かかくなってきて、花も咲きはじめています。
連休は天気が良くてよかったですね☀️
上野ではもう花が咲いていました☺️
昨日は風が強かったですが、今日はお散歩もきもちいいかも…✨ pic.twitter.com/yUFxfWuHri— mumuji (@mumuject_cosme) February 24, 2020
おまけ|おすすめの日本美術史の本
せっかくなので、私が愛用する日本美術史の本を。
社会人になってから武蔵野美術大学の通信をやっていたことがありまして、その時の教科書だったんですけど、カラー写真や用語検索、年表もわかりやすくて今でも時々見ますね。
今回の展覧会でも事前学習できました。
本展覧会は、3月8日(日)までです~。
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