いま人間がしている仕事のほとんどは、AIにとって代わられるらしいですね。
何十年か前には考えられなかった未来が、わたしたちを待ち構えています。
テクノロジーの発達でわたしたちの生活は確実に変化を求められる。
そんなことを考えるきっかけになったのが、
森美術館で開催している
「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命 ― 人は明日どう生きるのか」
です。
たとえば、「人工知能」で人間が死んだら裁かれるのは誰か、考えたことはありますか。
開発した会社?
プログラミングした技術者?
自ら学ぶAIそのもの?
テクノロジーの発展は、もしかしたら明るい未来だけではないのかもしれません。
展示物を観ながら、テクノロジー発展への「期待」と「少しの恐怖」を感じることができます。
多くの展示物が体験型なので、先端技術やSF好きの方だけでなく、子供たちも楽しめると思います。
それではさっそく、紹介していきます!
「未来と芸術展」から考える、わたしたちの未来
未来都市|"開かれた"建築
ザ・ワイ・ファクトリー/デルフト工科大学《ポロ・シティ》 2019
レゴブロックで制作された建築です。
テラス、眺望、日射、温度、自然換気など、様々な機能を持つ質の高い都市が提案されています。
「物理世界」と「情報世界」の狭間
PARTY + noiz《2025年大阪・関西万博誘致計画案》 2019
この展示では正面に立つ人間の目線に合わせてプロジェクションマッピングに映し出される情報が変化していきます。
目の前に実際に広がる都市(物理)を情報と共に一望する未来もあるのでしょうか。
コンピュータがつくる"論理的"の不気味さ
ミハエル・ハンスマイヤー《ムカルナスの変異》 2019
コンピュータがつくる人間では到底作図できないようなデザインは、論理的であるにも関わらず不気味な気もしますね。
人工知能でさまざまなものが作られるようになった世界では、どうなるのでしょう。
ゴッホの耳を「生きた状態」で再生
ディムート・シュトレーベ《シュガーベイブ》2014
こちらはゴッホの子孫から抽出した軟骨細胞とDNAを導入し3Dバイオプリンターなどを使って出力したものです。
この技術が実現すれば、マンモスなどの絶滅種の再生や、死んだペットをクローン技術で取り戻すこともできるかもしれません。それが正しいことなのかは分かりませんが。
ロボットに最後を看取られる未来
ダン・K・チェン《末期医療ロボット》2018
「ご家族・友人がこられず残念ですが、快適な死をお迎えください」と慰められながら一人で死んでいく未来も現実となるかもしれません。
子供を3人以上の親でシェアする
長谷川 愛《シェアード・ベイビー》2011/2019
ひとりの子が、父・母・卵子提供者の3人の遺伝子をもつことは、イギリスなどですでに認められています。
3人以上の親たちがひとりの子を共有する場合、家族の定義や子育てのあり方はどれだけ変わるのでしょうか。
顔認識システムによる監視社会
ラファエル・ロサノ=ヘメル&クシュシトフ・ウディチコ《ズーム・パビリオン》2015
個人の表情やわずかな行動から読み取られる意識、関係性までもが、顔認識のアルゴリズムによって分析されます。
わたしたちの気づかないところで、そんな監視ともいえる技術が現実ものものとして迫っていることを、実際に体験できる空間でした。
人工知能で死者がでたら、裁かれるのは?
ヘレン・ノウルズ《スーパーデットハンターボットの裁判》2016
この映像作品では、債務回収会社が独自開発した「より効率的な債務回収」という目的に沿って自己学習したアルゴリズムが、結果的に5人の死者をだしてしまいます。
この事件の責任はどこにあるのでしょうか。
裁判員による意見は、まとまることはありませんでした。
人は明日をどう生きるのか
テクノロジーは発展していくものの、人間の法律や倫理は、まだ十分に整ってはいません。
いつかクローン人間や不老長寿が実現したとき、
”人は明日をどう生きるのか”
ぜひ「未来と芸術展」を体験してみてください!!
展覧会情報(所要時間・混雑・グッズなど)
展覧会名 |
未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命―人は明日どう生きるのか |
公式URL | 公式HP/森美術館公式Twitter |
会期 | 2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日) ※会期中無休 |
会場 | 森美術館(六本木) |
チケット | 一般 1,800円(「未来人優待」あり) |
所要時間 | 1時間半程度 |
混雑 |
休日に行って、チケット購入に少々並ぶ。会場内は比較的自由に動き回れる程度。 |
音声ガイド |
向井 理 さん/500円(税込) |
フォトスポット | ほとんどの展示で撮影OK |
グッズ | 充実している |
コメント