『ピーター・ドイグ展』に行ってきました。
2月に会期を迎えて早々に中断。
もしかしたらこのまま中止かも…
と思っていましたが、この6月から再開してくれました。
会期は10月11日(日)までと大幅に延長です。
ありがとう…。
フライヤーの絵を見てから
絶対に実物をみたいと思っていた展覧会だったのでうれしいです。
すっごく素敵な展覧会でした。
『ピーター・ドイグ展』みどころ
ピーター・ドイグという人物
描き手の背景をざっくりと知ってから美術展にいくと
なんでこの色づかいなのかな
この主題にしたのはどうしてかな
…なんて妄想できて結構楽しく観れたりするのでおすすめです^^
1959年 | スコットランドのエジンバラに生まれる |
カリブ海の島国トリニダード・トバゴとカナダで育つ | |
1990年 | ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで修士号を取得 |
1994年 | ターナー賞*にノミネート *主にイギリスで活躍する現代アーティストに贈られる名誉ある賞 |
2002年 | ポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)に拠点を移す |
個展 | テート(ロンドン) パリ市立近代美術館 スコットランド国立美術館(エジンバラ) バイエラー財団(バーゼル) 分離派会館(ウィーン) など世界的に有名な美術館で個展を開催。 |
影響 |
● 同世代、後続世代のアーティストに多大な影響を与える。 ● 代表作のひとつ《のまれる》は、 《のまれる》1990年 ヤゲオ財団コレクション,台湾 |
みどころ1|ステキすぎる色づかい
ドイグ作品、とにかく色づかいが最高でした。
《ブロッター》1993年 リバプール国立美術館ウォーカー・アート・ギャラリー
この作品の題名《ブロッタ―》は吸いとり紙という意味だそうです。
水面に映った景色の波うち。
水面世界と現実世界の境目があいまいになって、水のなかに吸い込まれていきそうですね。
《ロードハウス》1991年 ヤゲオ財団コレクション,台湾
主題のロードハウスも
近くで見るこんなにたくさんの色が使われています。
みどころ2|夢幻世界
《ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ》2000-02年、196×296cm、シカゴ美術館蔵
フライヤーにも採用されているこの作品。
ぜひ実物で見てほしい。
絵がきらきらして本当に美しいんです。
ひとつひとつが宝石のようです。
油彩とはいえそこまで厚塗りではなかったと思うんですけど
どうしてこんなに光っているんだろう。
世界観がそう観せるんでしょうか。
こちらはドイツのダム湖の絵はがきと、
ドイグが学生時代に英国国立歌劇団の衣装係として働いていたときに撮った写真をもとに描かれました。
現実世界を題材にして
こんなに幻想的な色づかいになるんですね。
だから絵画って大好き。
《エコー湖》1998年
みどころ3|大きなキャンバスの没入感(展示風景)
この『ピーター・ドイグ展』は
ドイグの初期作から最新作までが並ぶ日本初の個展です。
作品数はおおくはないですが、
幅3メートルを超える大型作品がたくさん出品されています。
巨大なキャンバスに描かれるドイグ独特の不思議な色づかいの作品に魅せられ、まるで絵の中に引き込まれるような感覚を覚えます。
展覧会の設営では作品の主題や制作年代などで並べることが多いですが、ドイグは"色を意識して"絵を並べていったそうです(音声ガイドより)。
たしかに見渡してみると、
ここのセクションは青がおおいな…
ここはパステルカラーが目立つな…と思ったりしました。
わたしのお気に入り作品
《天の川》1989-90年 作家蔵
この《天の川》は展示の最初のほうで展示されていたのですが、
これをみた瞬間から
「あ、わたし絶対ドイグさんの作品好きだ」
と感じたんですよね。
オーストラリアのアボリジニ民族の絵画に似ていると思ったのですが、
映画「13日の金曜日」の最後のシーンに由来しているそうです。
ぺたぺたと
油絵の具を平面的に重ねているようなタッチなのに、星々がきらきらしている不思議。
木々や空が
実物と水面に映る映像で絵具の濃さを変えていない。
むしろ水面の方が濃いくらいなのに、透明感や奥行きまで感じます。
ステキな作品ばかりの展覧会でした。
ピーター・ドイグ展| 混雑状況・グッズなど
混雑具合(チケットは日時指定)
特に気になるところかと思いますが、
チケットは完全日時指定予約制ですので快適でした。
せっかく優雅な気分になりたくて美術館に行ったのに、混んでいてそれどころじゃないこともありますからね。
予約していく美術館は非常にいいかもしれません。
ロッカーにあった作業台は撤去されていました。
コロナ対策だと思います。
入館前にピッとおでこで体温チェック。
入り口やグッズ売り場には消毒が置かれていました。
感染対策をきちんとしてくれていると分かるので安心感がありました。
作品の撮影OK・順路自由
作品の撮影OK。
ブログやSNSでのシェアもOKです。
また、順路はほぼ自由。
ざっくりとした順路はあるものの、スペースを自由気ままにうろうろできますし、前のセクションに戻れる構造になっているのが嬉しかったです。
1週目はついつい撮影に夢中になってしまったので
2週目にスマホを置いてゆっくりじっくり作品を鑑賞できました。
グッズ
グッズ売り場はそこまで大きなものではなかったものの、種類はいろいろありました。
● Tシャツ
● マグカップ
● ポストカード
● マグネット
● トートバッグ などなど。
オンラインで図録以外も購入できます。
展覧会情報
展覧会名 | ピーター・ドイグ展(Twitter) |
公式サイト | 特設ページ |
会場 | 東京国立近代美術館 |
会期 |
2020年2月26日(水)~ 10月11日(日) |
所要時間 | 1時間程度 |
混雑状況 |
完全予約制でゆったり見られる。 |
音声ガイド |
のんさん(\600) |
グッズ |
ポストカードやTシャツなど多数。 |
その他 |
会場内は写真撮影可 |
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