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『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』の感想・混雑・グッズ・所要時間

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展美術館めぐり
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『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』に行ってきました。

 

ロンドン・ナショナル・ギャラリーから61点もの作品が一度に海外に持ち出された展覧会は史上初めてです。

 

念願だった《ひまわり》もしっかり観ることができました・・・!

 

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の見どころ

西洋絵画の教科書

ロンドン・ナショナル・ギャラリー

ロンドンの中心部にある「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」は、年間の来場者数約600万人超。世界でもトップ10に入る有名な美術館です。

ルネサンスからポスト印象派までの幅広い時代・地域のヨーロッパ絵画を体系的にたどることができ、「西洋絵画の教科書」ともよばれています。

 

本展ではこの特徴を残しつつ"イギリスでつくられた西洋美術史"という目線でヨーロッパ美術を見わたせる構成になっています。

 

現実とリンクした《受胎告知》

聖エミディウスを伴う受胎告知カルロ・クリヴェッリ 《聖エミディウスを伴う受胎告知》 1486年

 

ルネサンス絵画はイギリスにおいても長い間評価されてきたジャンルです。

なかでも《受胎告知》は聖書の一説としてよく描かれる題材ですが、天使とマリア2人だけを描く作品が多いのに対し、こちらはたくさんのモチーフや人物が描き込まれています。

実はこの絵は、町が自治権を獲得したことを祝って描かれたもので、聖母マリアがキリストを妊娠したことを知る聖書で最も喜ばしいシーンである《受胎告知》と町の自治権獲得の栄誉をリンクさせたとても興味深い作品なのだそうです。

 

フェルメールの最晩年

ヴァージナルの前に座る若い女性ヨハネス・フェルメール 《ヴァージナルの前に座る若い女性》 1670-72年頃

 

17世紀に黄金時代を迎えたオランダ絵画は、イギリスを含む世界でも大人気のジャンルですが、本展ではフェルメールの最晩年の作品を観ることができます。

暗い部屋に光が入り込む明暗の表現は、実物で見るととても幻想的でした。

 

貴族 VS ブルジョア

世界で初めて産業革命を迎えたイギリス。

この頃、貴族と肩を並べる力を得たのが新興資本家や地主といったブルジョアたちで、それまで貴族が権威の象徴として描かせていた肖像画をブルジョアたちも取り入れるようになりました。

 

レディ・エリザベス・シンベビーと アンドーヴァー子爵夫人ドロシー-トマス・コルトマン夫妻(左)アンソニー・ヴァン・ダイク《レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー》1635年頃/(右)ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー《トマス・コルトマン夫妻》1770-72年頃

 

貴族の肖像画では、2人の人物が同じ空間にいながら独立して描かれ、時代や場所を超越した神様のような存在として描かせているのに対し、ブルジョアの肖像画にはリアリティがあり、自分たちがどういう人物でどんな所で暮らしているのかを描かせています。

両者を見比べると違いがとてもよく分かり、おもしろいですよね。

 

イタリア旅行ブーム

フランチェスコ・グアルディ 《ヴェネツィア:サン・マルコ広場》 1760年頃 フランチェスコ・グアルディ 《ヴェネツィア:サン・マルコ広場》 1760年頃 

 

18世紀にイギリスを中心としたヨーロッパの北の方の地域では、グランド・ツアーとよばれる一大文化現象が巻き起こりました。

かつてローマ帝国のあったイタリアで自らのルーツを知り見分を深める旅行で、イギリス人は旅のお土産にイタリアの画家に現地の絵を描かせました

このグランド・ツアーは、文化的交流という意味で美術史においても大きな意義がありました。

 

「かわいい」は宗教を超える

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》 1660-65年バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》 1660-65年

 

洗礼者ヨハネと子羊の主題は宗教画でしばしば見かけるテーマですが、ふつうはヨハネを青年や壮年の姿で描くことが多いのに対し、ムリ―リョは幼い子どもの姿で表しました。

 

17世紀に黄金期となったスペイン絵画

ベラスケスが有名ですが、他国で正当に評価されたのは19世紀になってからです。

しかし、イギリスではこのムリーリョの描く少年・少女の絵だけは、彼が存命中から爆発的な人気だったそうです。

 

スペインはカトリック、イギリスはプロテスタントと宗教上は相いれないと思われるこの絵も、少年のかわいらしさに信仰の垣根を超えた魅力があったということなのでしょうか。

こういう事ができちゃうのが芸術なんだなあと思います。

 

「絵のような風景」に今も昔も…

18世紀のイギリスで肖像画と並んで重要だったのが「風景画」です。

もともと17世紀のヨーロッパにおいては理想化された桃源郷のような風景が大変人気で高い評価を受けていました。
本展でもクロード・ロラン、サルヴァトール・ローザ、プッサンなど作品を観ることができます。

 

二コラ・プッサン 《泉で足を洗う男のいる風景》 1648年頃 二コラ・プッサン 《泉で足を洗う男のいる風景》 1648年頃 

 

くわえて18世紀のイギリスは産業革命を迎え、田園風景が姿を変えていった時代です。

イギリスの人々は理想的な「絵のよう(ピクチャレスク)な風景」を追い求めていました。

 

イングリッシュガーデンイングリッシュガーデン:自然風景のように作庭される様式で18世紀頃にそのスタイルが確立

 

光と影、水と森、対比、コントラストなど、不規則で自然のままの絵のような美を尊ぶ考え方が流行。

 

その集大成ともいえるのがターナーです。

光や自然現象に大きな関心を寄せていた彼の作品は、画面でみるだけでも絵から漏れ出す光の明るさを感じられますが、実物ではもう、立ち止まらずにはいられない神々しさがありました。

 

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》 1829年ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》 1829年

 

イギリスの人々は自分の理想とする自然を求めて、ある人はイタリアに行き、ある人は自分の庭に手を入れ、ある人は風景画を描いてみたりしたのですね。

 

「絵のような風景」が好まれるのは現代でもおなじ。
理屈よりも感覚的に「絵になるな」と思うものに惹きつけられるのだと思います。エモいですね。

 

イギリスからみた印象派絵画

ピエール=オーギュスト・ルノワール《劇場にて(初めてのお出かけ)》 1876-77年ピエール=オーギュスト・ルノワール《劇場にて(初めてのお出かけ)》 1876-77年

 

19世紀フランスの印象派の波がイギリスにたどり着くのにはかなり時間がかかりましたが、大コレクターであったサミュエル・コートールドという大富豪の助けによって、印象派絵画は半世紀かかってようやくイギリスに受け入れられました。

 

そうです。昨年から東京・愛知で開催された「コートールド美術館展」の、あのコートールドです。

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この絵は彼の寄付金によって購入されたルノアールの作品です。

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》1841-1919 コートールド美術館ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》1841-1919 コートールド美術館 ※本展では展示なし

 

ルノアールが"劇場と女性"を描いた作品は他にもあり、コートールド美術館展でも展示された《桟敷席》と比較すると、より印象派らしい書き込みすぎない描き方が存分に表れているのがわかります。

 

知れてよかった作品《シャーロット王妃》

トマス・ローレンス 《シャーロット王妃》 1789年トマス・ローレンス 《シャーロット王妃》 1789年 

今回の展覧会で個人的に好きになった作品はこちらです。

白いドレスの透明感と虹色にもみえる色づかい、手の表現、装飾品、すべてが綺麗でした。貴族らしい大きなキャンバスで美しさ満点です。

 

一度は観たい。ゴッホ4作目の《ひまわり》

フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》 1888年フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》 1888年

 

本展の目玉。生きているうちに一度は観てみたい作品ではないでしょうか。

ゴッホの友人であるゴーガンは、この絵を「フィンセントの作風を本質的に表した完璧な一枚」だと絶賛し、サインを施すよう促したのだそうです。

 

実物はもっと黄色が輝いていて、油彩のてらてらした光と絵具が重ねられた筆づかいが感じられます。観に行って絶対に後悔しない迫力満点の作品です。

 

ゴッホは37年というあまりに短い生涯のうち、7枚、"花瓶に生けられたひまわり"の絵を描きました。
本作は4番目の《ひまわり》で、世界でいちばん有名なひまわりです。

 

ゴッホ-ひまわり-7点

 

上段の4作はいずれも南仏・アルルで描かれたもので、下段の3枚はいずれも上段を模写したもの。本展の黄色いひまわりを基にした5作目のひまわりは、新宿のSOMPO美術館で観ることができます。

 

まとめ|美術ファンじゃなくても

ルネサンスから印象派まで、イギリス目線でヨーロッパの美術史が網羅されている展示はなかなかないと思います。

 

また、普段あまり美術館に行かない方でも、ベラスケス、ターナー、ルノアールやモネ、ゴーガンなどの有名どころをおさえ、なによりあのゴッホの《ひまわり》が観られる本展。

 

行った甲斐があったと思える充実感たっぷりの展覧会だと思います。

 

参考/引用:「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」公式HPの監修者解説動画

 

混雑状況・グッズなど

混雑状況・感染対策

https://twitter.com/mumuject/statuses/1279058778583822341

 

完全日時指定予約制になりましたので、快適に観られると思います。公式Twitterで混雑状況を実況してくれますので家を出る前に要チェック。

余談ですが、国立西洋美術館の入口で手指消毒を行っているのですが足で踏むタイプの噴射機でした。
私はあやうく手で押しそうになりましたのでお気をつけて(>_<)

 

グッズ

グッズ売り場は展覧会の会場を出たところにあり、チケットがなくてもグッズだけ買えるようになっています。
展覧会にお財布を持って入らなくても大丈夫です。

 

グッズの種類はとっても充実。
定番のポストカードや、お菓子、トートバッグ、文具やキーホルダーなどどれも可愛かったです。

 

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展-グッズ

 

未だに『ひまわり』のミニチュアキャンバスを買うか悩んでいる私。確か2,800円くらいだったはず。
すみっこぐらしとのコラボグッズも人気でした。

 

展覧会概要

展覧会名ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
公式HP特設ページ公式Twitter混雑Twitter
東京展2020年3月3日(火)~6月14日(日)
2020年6月18日(木)~10月18日(日)
国立西洋美術館(東京・上野)
大阪展2020年7月7日(火)~10月18日(日)
2020年11月3日(火・祝)~2021年1月31日(日)
国立国際美術館(大阪・中之島)
チケット一般 1,700円(日時指定制を導入)
音声ガイド俳優 古川雄大さん
所要時間1時間半程度
グッズ充実のラインナップ
撮影スポット

東京展では、会場入り口にひまわりのベンチあり(本記事サムネ参照)。
また、国立西洋美術館ならではのこのガラスのところもキレイです。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展-撮影スポット

※必ず公式HPで情報をご確認ください。

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