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美術館めぐり

『コートールド美術館展』の感想・グッズ・所要時間・混雑状況

コートールド美術館展
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コートールド美術館展 魅惑の印象派』 に行ってきました。

 

改装工事中のタイミングで20年ぶりの来日となった本展。

マネ、モネ、ゴッホ、セザンヌ、ルノワール、ゴーガンなど印象派の傑作が勢ぞろいしているだけでなく、美術研究所の美術館だけあって、研究者ならではの視点から絵画を読み解く構成がとっても面白い展覧会でした。

 

追記
残念ながら神戸展は中止となってしまいましたが、期間限定オンラインショップ※2020年6月30日まで)でグッズが、朝日新聞ショップで図録が買えます。
また、公式HPにて会場内映像を特別公開中です。

 

『コートールド美術館展』の見どころ・感想

美術研究所の視点から読み解く印象派

フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲く桃の木々》1889年フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲く桃の木々》1889年

 

「コートールド美術館」はロンドン大学に付属するコートールド美術研究所の美術館です。

イギリスの大富豪であり大コレクターでもあるサミュエル・コートールドが収集したコレクションを中心に所蔵しています。

『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』の感想・混雑・グッズ・所要時間
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました。ルネサンスからポスト印象派までを網羅した本展は、ヨーロッパ美術史を学ぶにはもってこいです。 また、理屈抜きにあのゴッホの《ひまわり》を観られたのはうれしかった!人生で一度は観ておきたい作品です。

 

フランス印象派をはじめとした近代化の波をイギリスに届けたのは彼の寄付金によるものであり、あの有名なゴッホの《ひまわり》がロンドン・ナショナル・ギャラリーにあるのも彼のおかげなんですね。

コートールドは印象派の虜になり次々と名画を収集。その魅力を国民と分かち合いたいと願い、美術研究所の建設が決まるとコレクションの多くを寄贈してくれたのだそうです。

 

本展では研究所ならではの展示構成がとても面白かったです。

・第1部 画家の言葉から読み解く
・第2部 時代背景から読み解く
・第3部 素材・技法から読み解く

 

あえて歪みを入れる

ポール・セザンヌ《カード遊びをする人々》1892-1896頃ポール・セザンヌ《カード遊びをする人々》1892-1896年頃

 

例えばこのセザンヌの作品。
あらゆる視点からのモノの見え方"を一枚に描いています

正面から見ているのにテーブルが傾いている
人物の胴が長すぎる

セザンヌは「近代絵画の父」と呼ばれているピカソにも大きな影響を与えた人物です。
写実主義では描かない歪みをわざと取り入れているんですね。

 

レントゲンで技法を解析

ジョルジュ・スーラ《グラヴリーヌの海辺》1890ジョルジュ・スーラ《グラヴリーヌの海辺》1890年

 

点描画をX線を使って解析していました。

何色を組み合わせて表現しているのかまで解説があります。
科学的にいろいろなことが読み取れるようです。

 

会場内には本物の絵画の隣に拡大のパネルが置いてあって、「この色は〇〇・この技法は〇〇・だから何年に描かれている」などなど分かりやすく展示。

マニアックな専門的知見を素人にも魅力的に教えてくれるので楽しく学ぶことができました。

 

美しすぎるモネの《花瓶》

クロード・モネ《花瓶》1881着手クロード・モネ《花瓶》1881着手

 

難しいことを考えずに、ただ美術に浸って癒されたい人でも満足感があると思います。
だって名画のオンパレードだもの。

 

ルノワールの劇場と女性

ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》1841-1919 コートールド美術館ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》1874年

 

ルノワールの劇場と女性のテーマ。華やかで会場でも目立っていた一枚です。

女性の顔ははっきりと描き込んでいるものの、ドレスの輪郭や装飾品のぼやかりた技法が印象派を感じさせます。

真っ白な肌とドレスの黒のコントラスト、差し色の口紅と花飾りが優美で本当にきれいでした。

 

マネ最晩年の傑作

エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》1882年エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》1882年

 

マネの晩年の傑作として知られる本作。今回の目玉作品です。

 

背景には鏡に映った映像をおいていますが、その割には女性と鏡像の位置関係が不自然です。
しかし科学調査によって、女性の姿勢や鏡像の位置をなんども修正していたことがわかっていて、この不自然さはマネが意図的に作ったものだとのこと。

鏡写しの背景でバーの喧騒を見事に表現しつつ、中央にいるバーメイドが際立つ構図は、とっても迫力がありました。

 

知れてよかった作品

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《個室の中》(「ラ・モール」にて)1899年頃アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《個室の中》(「ラ・モール」にて)1899年頃

 

今回はセザンヌやマネ、ドガなど華やかな女性を描いている作品が多くて目にも鮮やかです。
が、そんななかで怪しげな女の絵が好きになりました。
笑ったときの口紅のねっとり感まで伝わる感じがたまりません。

 

あとはモディリアーニの《裸婦》も観られてよかったです。

 

まとめ

印象派がしゅわわ~っとしたあいまいさい美術研究が入り交じり、印象派初心者からマニアまでも楽しめる展示だと思いました。

 

傑作ばかりなので満足すること間違いなしです。

 

グッズ・撮影スポット

展覧会グッズ

コートールド美術館-グッズ

 

グッズは充実したラインナップ。

神戸会場での展示が中止になってしましましたが、期間限定オンラインショップでグッズ販売をしてくれています(※2020年6月30日まで)。

https://courtauld.shop/password

 

撮影スポット

コートールド美術館展-撮影スポット

 

会場の終わりに撮影スポットがありました。

 

展覧会概要

展覧会名 コートールド美術館展 魅惑の印象派
公式HP 展覧会特設ページ / 公式Twitter
会期

▼東京都美術館
2019年9月10日(火)~12月15日(日)
▼愛知県美術館
2020年1月3日(金)~3月15日(日)
2020年1月3日(金)〜3月1日(日)
▼神戸市立博物館
2020年3月28日(土)~6月21日(日)開催中止

混雑状況 平日金曜日の夕方は混んでいなかったです
所要時間 2時間弱
音声ガイド 三浦春馬さん
その他 グッズ充実/写真スポットあり

 

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