先日、『リヒテンシュタイン展』に行ってきました。
華やかできらびやかな美術品の数々は必見です。
《レビュー》リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展
リヒテンシュタイン侯国ってどんなところ?
●スイスとオーストリアの間に位置する小さな国です。
●かつては神聖ローマ皇帝に仕えた「リヒテンシュタイン侯爵家」が統治していました。
●世界で唯一、家名が国名になっています。
●世界でも指折りの美術品の個人コレクションを有していて、世界の宝石箱とたとえられています。
王冠をモチーフにした入国スタンプがかわいい国なんです。
展示風景
本展みどころ1 | 華麗なる貴族たちの生活
この展覧会では、リヒテンシュタイン侯爵家のような貴族たちのきらびやかな生活を思わせるコレクションがたくさんあります。
《屋外での雅な音楽の集い》フランツ・クリストフ・ヤネック / 1740-60
音楽を楽しむ貴族たちの絵画や、
当時の貴族のたしなみとなっていた「中国磁器」、「日本の有田焼」のコレクションなど、どれも透過絢爛なものばかりです。
《金地花文ティーセット》1815
本展みどころ2 | 宗教画や風景画
ヤン・ブリューゲル(父)やクラーナハ(父)など
北方ルネサンス、バロック、ロココを中心とする油彩画も観ることができます。
なかでもこちらの風景画は
光の当たり方が朝日を浴びているような明るさと暖かさが見事でした。
《イシュル近くのヒュッテンエック高原からのハルシュタット湖の眺望》フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー /1834
この絵のポストカードは売上ランキングでも第5位だったそうですよ。
本展みどころ3 | 花の静物画
今回の展示のメインではないでしょうか。
花の静物画は
1600年頃に独立した絵画の主題として発展しました。
ウィーンではしばしば「対」となるように構想する伝統があったそうです。
【左】《アオボウシインコのいる花と果物の静物》フランツ・クサーヴァー・ペター / 1830
【右】《ヨウムのいる花と果物の静物》フランツ・クサーヴァー・ペター / 1830
どの花の絵画も華やかですが、
よく観ると花にとまっている虫まで描かれているものもあって、妙にリアルさもありました。
《花の静物》ヤン・ファン・ハイムス / 18世紀前半
また、絵画だけではなく
このような皿やカップなどの「ウィーン磁器」のコレクションもあります。
【左】《薔薇花束文カップと受皿》1795年頃 / 【右】《花籠文カップと受皿》1804年頃
もちろん細部まで精巧な模様が施されています。
お皿ひとつひとつにこのレベルの精巧で豊かな色彩が描かれているのなら、貴族たちが集めたくなるのも分かりますね。
《盛花格子文絵皿》1805
グッズ情報
グッズはお花がふんだんに使われたかわいらしいものばかりでした。
私はポストカード数枚とメモ帳を購入。
この銀器とブドウが描かれたポストカードは会期延長記念のプレゼントでもらえたものです。
*
*
*
非日常の世界観で、一瞬現実を忘れられるような優雅な時間を過ごせました。
ベルばらとかマリーアントワネットが好きな方は絶対に好きになる展示ではないでしょうか。
全国を巡回してくれる展覧会なので迷っている方は是非、足をお運びください。
とっても楽しかったです。
画像はグッズまたは会場にて撮影:mumu
展覧会情報
展覧会名 | 建国300年 ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展 |
所要時間 | 1時間半 |
混雑 | 土曜の18時頃にいってゆったりでした(Bunkamura) |
音声ガイド | 小泉孝太郎さん |
グッズ | 充実していました |
●東京 (終) | 2019年10月12日(土)〜12月26日(木) Bunkamura ザ・ミュージアム |
●栃木 (終) | 2020年1月12日(日)〜2月24日(月) 宇都宮美術館 |
●東京 (終) | 2020年5月2日(土)〜7月5日(日) 東京富士美術館 |
●宮城 (終) | 2020年7月14日(火)〜2020年9月6日(日) 宮城県美術館 |
●広島 (終) |
2020年9月18日(金)~11月29日(日) 広島県立美術館 |
●大阪 | 公式サイト/公式Twitter 2021年1月30日(土)〜3月28日(日) あべのハルカス美術館 |
▼関連書籍
2012年に開催された展覧会
「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」で漫画家の池田理代子さん(ベルばらの作者の方)が描き下ろしたマンガです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
クリックしていただけたら嬉しいです。
コメント