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美術館めぐり

『ハプルブルク展 』 の感想・グッズ・所要時間・混雑状況

ハプスブルク展
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ついに始まりました、ハプスブルク展
ミュージカル『エリザベート』大好き人間の私としては待ちに待った展覧会でした。

『ハプスブルク展』の見どころ・感想

ハプスブルク家は、13世紀から膨大な領地を支配したヨーロッパ随一の名門一族です。
代々 神聖ローマ帝国の皇帝を世襲、第一次世界大戦で帝国が滅亡を迎えるまでヨーロッパを牽引してきました。

また、その財力とネットワークから世界屈指の美術品蒐集で有名な一族でもあるんです。

 

本展では、ハプスブルク家の美術品蒐集の始まりから600年の歴史の終焉まで、時代とともに美術品を鑑賞していく構成になっていました。

 

ハプスブルク家のコレクションの始まり

 ベルンハルト・シュトリーゲルとその工房、あるいは工房作《ローマ王としてのマクシミリアン1世》ベルンハルト・シュトリーゲルとその工房、あるいは工房作《ローマ王としてのマクシミリアン1世》1507/08年頃

スタートはハプスブルク家のコレクションの基礎を築いた、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世です。

「中世最後の騎士」と呼ばれた皇帝で、実際に着用した銀色の甲冑も展示されていました。

 

変人と呼ばれたルドルフ2世と芸術文化

ヨーゼフ・ハインツ(父)《神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の肖像》ヨーゼフ・ハインツ(父)《神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の肖像》1592年頃

 

ルドルフ2世は政治的な才能は皆無で、皇帝でありながら国政に関心を示さず弟に王位を譲ったあと、都をウィーンからプラハに移して宮殿に引きこもりました。

錬金術にも強い関心を示すなど、生涯独身で"変人"と思われていたのだそうです。

 

一方で芸術や文化には関心があり、『バベルの塔』で知られるブリューゲルなど多数の芸術家をプラハで保護したことで芸術文化が栄えました。

 

興味深い人物ですね。

余談ですが、面長でぎょろっとした目の顔立ちは、ハプスブルク家の男性の特徴らしいです。

 

血族婚とコレクション黄金時代

ディエゴ・ベラスケス《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》1659年ディエゴ・ベラスケス《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》1659年

 

「戦争は他所の国に任せましょう。幸運なオーストリアは結婚を」

ミュージカル『エリザベート』にこんなセリフがあるとおり、ハプスブルク家は契約結婚で領土を広げ、血族婚で名門の血を守った一族でもありました。

 

マルガリータは11歳年上の叔父であるレオポルト1世と15歳で結婚しました。
これはマルガリータが8歳の時の肖像です。
夫婦仲はとても良かったそうですが、血族婚ゆえの度重なる流産の末 21歳で亡くなっています。

 

近くで見るとタッチが荒いのですが、距離を置くとドレスのベロアのような素材感がみごとに描かれています。幼いのに強いまなざしでまっすぐこちらを見つめている姿がとても印象に残りました。

 

マリー・アントワネットの優美な肖像

マリー・ルイーズ・エリザベト・ヴィジェ=ルブラン《フランス王妃マリー・アントワネットの肖像》1778年マリー・ルイーズ・エリザベト・ヴィジェ=ルブラン《フランス王妃マリー・アントワネットの肖像》1778年

 

ハプスブルク家といえばこの方。マリー・アントワネットですよね。

オーストリアから敵国フランスに嫁いだマリー・アントワネットに宮廷画家たちは近づこうとしませんでしたが、この絵を描いた女性画家ヴィジェ=ルブランだけはちがったようです。

「美しいところを生かして際立たせる」という乙女心もくみ取ってくれた彼女は、マリー・アントワネットお気に入りの画家となりました。

 

天井が高く広大な宮殿にバラのように色づいた頬の着飾った立ち姿。大流行のファッションに身を包んだ姿に生粋のお姫様。本当にきれいでした。

 

フランツ・ヨーゼフ1世とハプスブルク家の終焉

ヴィクトール・シュタウファー《オーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の肖像》1916年頃ヴィクトール・シュタウファー《オーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の肖像》1916年頃

 

ミュージカル『エリザベート』好きにはたまらない時代。ハプスブルク家 最後の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世です。

現在の"芸術の都ウィーン"を作ったのは彼であり、
文化・芸術・経済を大きく発展させ「オーストリアの国父」と呼ばれた人物です。
この展覧会の作品の多くを所蔵しているウィーン美術史美術館の立役者でもあります。

 

ヨーゼフ・ホラチェク《薄い青のドレスの皇妃エリザベト》1858年ヨーゼフ・ホラチェク《薄い青のドレスの皇妃エリザベト》1858年

 

そんなフランツが生涯愛したといわれるのが王妃エリザベートです。

16歳の時にフランツに見初められて結婚。オーストリア皇后となりましたが、宮廷の古いしきたりや継母との確執に苦しみウィーンを出て旅を続け、60歳の時に旅先で暗殺されています。

 

エリザベートの肖像画はいくつか見たことがありますが、これは少しイメージが違いました。
ウエストの細さは美容に狂人的に執着した彼女を表していますね。

 

ハプスブルクの歴史をめぐりながらの鑑賞

クロード・ビズアール《オーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のフリントロック式ピストル》1911年クロード・ビズアール《オーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のフリントロック式ピストル》1911年

 

私が今回一番気に入ったのはこちらですね。
ポストカードを撮影した画像ですが、会場では実物が見られます。

 

ダイヤモンドがキラキラしていて、倹約家で知られたフランツ・ヨーゼフ1世のものだと知って意外でしたが、やはり皇帝の私物。オーラが違います。

エリザベートの死後、オーストリアは民族運動の激化と第一次世界大戦に苦しめられ、フランツは病に倒れて帝国は崩壊。ハプスブルク600年の歴史は幕をおろしました。

 

敗戦に苦しむなかでこれを腰に携えながら、愛しのエリザベートの帰りを待っていたのかと思うと、もう・・・

 

まとめ

こうして美術品とともにハプスブルク家の歴史を振り返ることができて充実した展覧会でした。
やっぱり、ドラマチックな一族だなと。

改めてハプスブルク家の魅力を確認できたと思います。

 

展覧会概要・混雑状況・グッズ

展覧会名

日本・オーストリア友好150周年記念
ハプスブルク展
600年にわたる帝国コレクションの歴史

公式HP https://habsburg2019.jp
会期 2019年10月19日(土) – 2020年1月26日(日)
会場 国立西洋美術館(東京・上野公園)
混雑状況 少しだけ混んでいた
所要時間 2時間弱
音声ガイド 花總まりさん/梅原裕一郎さん
グッズ

売り場は小規模ですがイラストレーター 長場雄さんのグッズがかわいい♡

ハプスブルク展-グッズ

 

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